ウサギのような耳と鋭い牙で世界中のファンを魅了したキャラクター「ラブブ」。
一時は日本でも入手困難なほどの大人気でしたが、販売元である中国のアートトイメーカー「ポップマート」の株価が、8月のピークから約40%も下落しています。
その背景には、過剰な生産によってラブブの個性や希少性が失われたという問題が指摘されています。本記事では、ラブブバブル崩壊の真因と、今後のアートトイ市場の行方について詳しく解説していきす。
最後まで読んでみてくださいね。
- ラブブ人気失速の真因とファン離れの背景
- ポップマート株価急落の要因と市場の反応
- アートトイ業界の今後とブランド再生の可能性
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ラブブ人気が失速した理由は「大量生産による価値の希薄化」
ラブブの魅力は、個性的なデザインと限定性によって支えられていました。
しかし、需要の高まりとともにポップマートが大量生産へと舵を切ったことで、希少性が失われ、多くのファンがその価値に疑問を持ち始めたのです。
ここでは、過剰生産がどのようにファン心理に影響を与え、人気の失速につながったのかを掘り下げていきます。
過剰な生産がもたらしたファン離れ
ラブブが登場した当初、販売はオンライン抽選や限られた店舗でのみ行われていて、「手に入らないからこそ欲しい」という熱狂がありました。
ところが2024年後半から2025年にかけて、ラブブの新シリーズやコラボモデルが月に複数回リリースされるようになり、供給量が一気に拡大。
「レア感」が消えたことで、従来のコレクター層が離れていったのです。
加えて、新作のクオリティが従来よりもやや簡素化されていた点もファンの失望を招きました。
造形のディテールや彩色が一部モデルで簡略化されたことで、「愛着が持てない」との声も多く聞かれるようになりました。
これは、量を追いすぎた代償と言えるでしょう。
「限定感」の喪失がブランド価値を下げた
ラブブを含むアートトイ市場では、「数量限定」や「入手困難」こそが最大の価値です。
⇒ ラブブ(LABUBU)ぬいぐるみの価格は何円?中国発キャラが“入手困難”な理由
一時期、ポップマートは新作発表のたびにSNSで話題を独占し、ラブブの抽選販売は数万人単位の応募がありました。
しかし現在では、フリマアプリや量販店に在庫があふれ、二次流通価格も定価割れが常態化しています。
「今買わないと手に入らないかもしれない」という購入動機が消えたことで、購買意欲も連鎖的に減退しました。
これはブランド価値を維持する上で致命的な問題です。
ポップマート自身が、過去の希少性マーケティングを自ら否定する形になってしまったのです。
かつてはアートトイに憧れを抱いていたユーザーたちも、現在は冷静な視線で価格やクオリティを見極めています。
その結果、ラブブは「話題性」や「バズるコンテンツ」としての地位を徐々に失い、長期的なファンダムの構築にも影響が出ているのです。
「限定感」の喪失がブランド価値を下げた
かつてのラブブは、少量生産とイベント限定販売により、「持っていること自体がステータス」という位置づけでした。
その希少性がコレクター心理を刺激し、中古市場では数倍の価格で取引されるほどの熱狂ぶりを見せていました。
しかし、2024年後半以降、ポップマートは「生産数の拡大」や「流通ルートの多様化」を進めたことで、この限定感が大きく損なわれる結果となったのです。
ファンにとっての価値は、「可愛いから」や「飾りたいから」といった表面的なものだけではありません。
「他人が簡単に手に入れられないものを持っている」という、コレクター特有の所有欲も重要な動機です。
ラブブが店頭やオンラインショップで容易に手に入るようになると、この満足感は一気に失われてしまいました。
また、ポップマートはラブブのバリエーション展開を加速させましたが、それが逆に“価値のインフレ”を招きました。
毎月のように登場する新作にファンは追いつけず、「どれが本当に希少なのか分からない」という混乱が広がりました。
その結果、コレクター市場では一部モデル以外の価値が暴落し、ブランド全体への信頼感も薄れていきました。
本来、アートトイにとって「数の少なさ」は単なる供給量ではなく、ブランドの哲学や世界観を体現する要素です。
そのバランスを崩してしまったことが、ラブブの魅力を徐々に風化させたといえるでしょう。
限定感の喪失は、単なる販売戦略の失敗ではなく、ブランドアイデンティティの揺らぎにつながったのです。
ポップマート株価が40%急落した背景
中国発のアートトイブランド「ポップマート」は、世界的なコレクションブームを背景に急成長を遂げました。
特に2025年初頭には新キャラクターや海外展開の期待から、株価が一時的に高騰しました。
しかしその後、株価は約40%も下落し、市場に大きな動揺をもたらしたのです。
2025年3月からの急上昇とその反動
2025年3月、ポップマートは人気キャラクター「ラブブ」の新シリーズと、日本・韓国への大規模店舗展開を発表しました。
このニュースを受けて、投資家の間で「再ブームが来る」との期待が膨らみ、株価は過去最高水準に到達。
一部のアナリストは「アートトイのNetflixになる可能性」とまで表現し、強気の評価が相次ぎました。
しかし、実際の売上はその期待に応えられませんでした。
店舗拡大によるコスト増、過剰在庫、そしてラブブ人気の陰りが明らかになるにつれ、投資家の心理は一変。
「思ったより成長していない」「コストばかりが膨らんでいる」との懸念が広がり、売り注文が集中して株価は急落しました。
さらに、同時期に中国全体で消費マインドが冷え込み、「娯楽消費」や「非必需品」への支出が抑えられる傾向が強まっていました。
これもアートトイ市場にとっては逆風であり、ポップマートはダブルパンチを受けた格好です。
結果として、2025年夏までに株価はピーク時から約40%も下落し、「バブルの崩壊」が現実のものとなったのです。
ドイツ銀行の分析が示す投資家の不安
2025年半ば、ドイツ銀行をはじめとする複数の投資銀行が、ポップマートに対して「評価過剰」とのレポートを相次いで発表しました。
これらの分析では、ラブブ人気の鈍化に加えて、アートトイ市場そのものの成長限界を指摘。
短期的な収益性の悪化と中長期的な戦略の不透明さが、投資家の不安心理を加速させたのです。
特にドイツ銀行のレポートでは、「ブランドの乱発と供給過多が、消費者のロイヤルティを著しく損なっている」と指摘されました。
市場に溢れる類似キャラクターの氾濫や、毎月リリースされる大量の新作によるブランド飽和が問題視されています。
アートトイの魅力である「個性と希少性」が失われたことで、投資価値も低下したという論調でした。
また、ポップマートの売上構造にも警鐘が鳴らされました。
売上の多くが「目新しさ」や「トレンド」に依存していて、持続的な収益モデルとしての脆弱さが露呈したとされています。
さらに、海外展開の進捗が予想よりも遅れ、特に北米市場での競合の激化も評価を下げる一因となりました。
こうした要因が複合的に作用し、「企業としての成長性に疑問符がついた」ことで、機関投資家を中心に大量の売却が進行。
2025年夏には、株価は一時的に心理的節目とされる「20香港ドル台」まで下落し、企業価値の再評価を迫られる局面となりました。
このように、ドイツ銀行の分析は単なる予想ではなく、投資家心理を決定づける要素となったのです。
ラブブバブルは完全に崩壊したのか?今後の展望
ラブブ人気の急落やポップマートの株価暴落は、「バブルの崩壊」とも言える状況を生み出しました。
しかし、この流れを単なる終焉と見るのではなく、アートトイ市場全体の“調整期”と捉える視点も重要です。
ここでは、今後ラブブやポップマートが再び脚光を浴びる可能性について探っていきます。
市場の調整期と見れば復活の可能性も
2025年の急速な市場冷却は、確かにラブブにとっては大きな痛手でしたが、同時に“過熱しすぎた投資熱”を冷ます健全なプロセスとも言えます。
需要と供給のバランスが見直されることで、本来の価値に立ち返る好機とも考えられます。
過剰な新作ラッシュや希少性の喪失を反省材料とし、慎重な商品戦略を再構築すれば、再浮上のチャンスは十分に残されているのです。
実際、過去にもアートトイ業界では「短期的な低迷→再評価」というパターンが繰り返されてきました。
特に、作品としての完成度や物語性に優れたキャラクターは、時間が経つほどに価値が高まり、“ヴィンテージ化”する傾向があります。

ラブブもその例外ではなく、初期モデルは既に再評価の動きが始まっています。
また、世界的に「個人の趣味や表現」を尊重するカルチャーは継続して広がっています。
この潮流の中で、“量産ではなく想いのある作品”を求める声が再び高まる可能性は高いです。
ラブブが原点に立ち返り、アート性とストーリー性を打ち出せば、真のファン層との関係を再構築できるでしょう。
差別化戦略で再び希少性を高められるか
ラブブ人気を取り戻す鍵は、かつてのような「限定感」と「独自性」を再構築する戦略にあります。
大量生産の反省を踏まえた上で、今後はどのような差別化が可能なのかが、ブランドの再生を左右するでしょう。
単なる「数を絞る」だけではなく、ブランドとしての世界観や“語れる背景”をいかに生み出せるかが試されているのです。
ひとつのアプローチとして注目されているのが、アーティストとのコラボやNFTとの連動など、作品性とテクノロジーを融合させた展開です。
こうした限定モデルは、デジタル証明とリアルアイテムの双方に価値が生まれ、希少性だけでなく「所有体験」の差別化にもつながります。
特にZ世代を中心に「共感できるストーリー性」や「クリエイターとの距離感」を求める消費者が増えているため、商品そのもの以上の“意味”を提供する戦略が効果を発揮するでしょう。
さらに、今後は生産数だけではなく「販売方法の差別化」もポイントです。
抽選制や時間限定、地域限定販売といった演出は、“手に入れる過程”を楽しい体験に変える要素となります。
ポップマートがかつて得意としていたこの「演出力」を、もう一度磨き直すことで、ブランド価値を回復させる余地は大いにあるのです。
単にフィギュアを売るだけでなく、「物語」と「参加体験」を一体化させることが、今後のアートトイ市場で生き残る鍵となるでしょう。
ラブブの魅力を再定義することができれば、それは単なるキャラクターの復活ではなく、“文化的な存在”としての再評価へとつながっていくはずです。
アートトイ市場全体に広がる懸念
ラブブやポップマートの失速は、単なるブランドの問題にとどまりません。
アートトイ市場そのものが、今「ブームの終焉なのか、それとも次のステージへ進むための過渡期なのか」という大きな分岐点に差し掛かっています。
ここでは、市場全体に広がる懸念とその背景を検証していきます。
一過性のブームか?継続的な成長産業か?
アートトイは、特にパンデミック期間中に「癒し」や「収集の喜び」を提供するプロダクトとして爆発的に支持されました。
しかし、生活様式の正常化とともに、「もう飾る場所がない」「集める意味が薄れた」といった声が消費者の間で増えています。
この傾向は、コレクターアイテム全般に共通する“飽き”という壁に直面しているとも言えるでしょう。
一方で、アートトイが「カルチャー」として浸透し始めた地域では、依然として限定コラボやアーティスト作品に熱狂的な支持が見られます。
つまり、“商業主導型のブーム”は沈静化しつつも、“文化・価値観としての定着”は続いていると分析できます。
この差を見誤ると、「市場は終わった」と短絡的に判断してしまう危険があります。
2025年の現在、アートトイ市場は明らかに淘汰のフェーズに入っています。
量産品や無個性な商品は見向きもされず、真にクリエイティブな作品や“語れる商品”が生き残っていく時代です。
この意味では、「単なるブームだったかどうか」よりも、“これから何が価値として残るか”を見極めることが、重要な問いになるでしょう。
消費者の目が肥える中で問われる「本物志向」
アートトイ市場が成熟期を迎えつつある今、消費者は単なる“可愛さ”や“話題性”だけでは満足しなくなっています。
特にZ世代やミレニアル世代の消費者は、デザインの背景やアーティストの理念といった「ストーリー性」や「思想性」に価値を見出す傾向が強まっています。
“目が肥えた消費者”にとって、見せかけだけの商品はむしろ信頼を失う原因になりかねません。
この「本物志向」の中で求められているのは、一点一点に作り手の思想や物語が宿っていることです。
たとえば、独立系アーティストが制作した限定フィギュアや、社会的メッセージを内包したコレクションが注目されているのはそのためです。
単なる「人気キャラの新バージョン」ではなく、“なぜその形であるのか”を語れることが価値として問われるようになっています。
また、ユーザーとの双方向的なコミュニケーションも重要な要素です。
作品づくりの過程を共有したり、ファンの意見を取り入れた商品開発を行うなど、「共創的」なスタンスが支持される傾向にあります。
本物志向とは、単に高品質であることではなく、「共感できるかどうか」が軸となっているのです。
今後、アートトイ業界がこのような価値観にどう応えるかが、再成長の鍵を握ります。
ラブブやポップマートが再起を図るには、表面的なリブランディングではなく、本質的な価値づくりが不可欠です。
それこそが「選ばれるブランド」になるための最も重要な条件なのです。
ラブブバブル崩壊とアートトイ業界の今後を総まとめ
ラブブの急激な人気上昇とその後の失速は、アートトイ業界全体に大きな影響を与えました。
この現象は、一企業や一キャラクターにとどまらず、業界全体の成長戦略を再考させる契機となっています。
今後の展望を探るには、過去の成功体験と現在の課題の両面から学ぶ姿勢が求められます。
過去の成功と現在の課題をどう活かすか
ラブブの初期成功には、いくつかの明確な要因がありました。
ユニークなデザイン、ストーリー性、そして何より「入手困難さ」がファンの心を掴んだのです。
しかし、その成功がもたらした過剰生産とブランド乱立が、結果として信頼と魅力を薄める原因になったことは否めません。
現在の課題は、それらの“熱狂”をいかに“持続可能な価値”へと変換できるかという点にあります。
市場の成熟=終わりではなく、次の段階への進化と捉える必要があります。
売れるモノから、選ばれるモノへ。この価値転換こそが、ブランド存続の鍵となるでしょう。
また、アートトイという文化を根付かせるには、“商品”ではなく“体験”や“共感”を提供する視点が欠かせません。
ポップマートやラブブがこの教訓を活かし、再びファンとの信頼関係を築くことができれば、単なる一過性のブームではなく、“文化としてのアートトイ”が次のステージへ進むきっかけになるはずです。
過去の成功を「繰り返す」のではなく、「昇華させる」ことが今、求められているのです。
ラブブを通じて見える「ブランド価値」の本質
ラブブの成功と失速を振り返ると、そこには「ブランド価値とは何か」という根本的な問いが浮かび上がります。
単に売れることや話題になることは、ブランド価値の一部でしかありません。
本当に強いブランドとは、時間が経っても愛され、支持され続ける存在なのです。
ラブブは、当初はその希少性と独特の世界観によって熱狂的なファンを獲得しました。
しかし、その人気に依存した過剰展開は、やがてファンの期待とズレを生み、ブランドの信頼性を損なう結果となりました。
これは、「短期的な売上」ではなく、「長期的な信頼」がブランドを支えるという事実を改めて示しています。
また、ラブブが教えてくれるのは、「ファンとともに成長するブランド」の重要性です。
一方的なマーケティングではなく、ユーザーとの共創・対話の姿勢が、今後ますます問われるようになるでしょう。
たとえ一度人気が落ちたとしても、誠実なものづくりと一貫した価値観を守れば、再評価されるチャンスは必ず訪れます。
ブランド価値とは、見た目の華やかさではなく、「信頼」「共感」「継続性」の3つの柱で築かれるものです。
ラブブという存在を通じて、その本質を再認識することは、アートトイに限らず、すべてのプロダクトやブランドにとって有意義な教訓となるでしょう。
この「学び」を活かすことが、次なるブランド価値創造の第一歩だと思います。今後も目が話せないですね!

- ラブブ人気失速の原因は大量生産による希少性の喪失
- ファン離れの背景には品質低下や「限定感」の消滅
- ポップマートの株価は期待外れの業績で約40%下落
- 市場全体もバブルから“調整期”への移行段階に
- 今後の再浮上には「限定性」と「物語性」の再構築が鍵
- NFTやアーティストコラボによる差別化戦略に注目
- アートトイ市場は本物志向と共感重視の時代へ
- ブランド価値は「短期の売上」でなく「長期の信頼」が決め手
- ラブブの教訓はすべてのブランドに通じる価値観の見直し
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