コロナ禍の影響で多くの企業が在宅勤務を導入しましたが、最近では会社への復帰を求める動きが米国で増加しています。
一方で、従業員からの反発も少なくなく、経営陣と従業員との間に大きな溝ができてしまったようです。
この記事では、米国の大手企業の出社回帰の動向や、それに対する従業員の反応、背景にある理由などを解説します。
オフィス復帰の動きと従業員の反応
コロナ禍が収束の兆しを見せる中、過去3年以上の在宅勤務を経て、多くの従業員がオフィスに戻る動きが見られます。
しかし、出社を強制する企業と、それに抵抗する従業員との間には摩擦が生じています。
特に、出社を命じられた結果、従業員の大部分が退職を選択した例も報告されています。
大手企業の出社方針
米国の大手企業、例えばTwitterやDisney、Starbucksなどは、会社への完全復帰や出社日数の増加を従業員に求めています。驚くべきことに、在宅勤務のツールとして知られるZoomも、会社の近くに住む従業員に、週2回以上の出社を義務付ける方針を発表しました。
マッチングアプリの米Grindrは、Zoomで8月初旬に、在宅勤務だった従業員に向けて、出社するようにと通告しました。
条件としては、ロサンゼルス・ニューヨークなど、拠点都市の会社に、週2回の出社を命じましたが、もし拒否した場合は退職することになります。
2週間の猶予を与えられ、8月31日までに、なんと従業員178人のうち約80人が退職したのです。
従業員の反発と企業の対応
Grindrの経営陣側は、Zoom会議やその後の説明会で、従業員たちの質問を遮って黙らせたことで、米国通信労働組合は、Grindrに不当労働行為があったとして訴えを起こしています。
また2022~2023年にかけて、米Twitter(現X)や米Disney、米Starbucksといった大手各社が、従業員に対して、会社への完全復帰や出社日を増やすことを義務付けました。
出社を求める企業の方針に対して、従業員からの反発は強まっていて、特に23年間続いているAmazonは、週3日以上の出社を義務付けた際に、従業員の反対署名に直面しました。
しかし、企業側はこの反対を受け入れずに、ポリシーに従わない従業員には退職を求める姿勢を示しています。
出社回帰の背景は?
企業が出社を強く求める背景には、対面でのコミュニケーションの価値の再認識があります。
Zoomの担当者は、対面の交流がもたらす効果について、製品チームやエンジニアチームが直接会話することで多くの問題が迅速に解決されたと述べています。
「製品チームやエンジニアチームが顔を合わせると、ただ同じ部屋にいるだけで多くの問題が解決してしまったことに驚いた。」
確かに在宅ワークでは、会話や話し合いはなかなかとる時間がないかもしれませんね?
一緒に机を並べて仕事をしていると、会話の中で気づきがあり、問題解決の糸口に繋がることがありそうですね!
経済の不透明性と雇用の力関係
経済の不透明性が増す中、企業側の力が強まり、従業員は失職のリスクを背負いながらも出社を選択せざるを得ない状況が生まれています。
この力関係の変化が、出社回帰の背景にも影響していると考えられます。
また実態調査でも、米シンクタンクが4~5月にかけて、米国の人事担当幹部185人を対象に実施した調査では、従業員を職場復帰させるのに苦労していると述べた人が、73%もありました。
職場復帰を促すために、チームでのプロジェクトや、記念イベントの開催(62%)、曜日や時間のフレックス制(59%)、ゆったりしたカジュアルな服装を認める(56%)という点を見直しして、実行している企業が多いようです。
在宅勤務を終了し会社出勤に反対の声!まとめ
米国の企業の中で、会社への復帰を求める動きが強まっている一方で、従業員からの反発も存在します。
この背景には、対面でのコミュニケーションの価値や経済の不透明性、雇用の力関係の変化などが影響していると考えられます。
今後の動向や、日本の企業における影響も注目されますね!
在宅勤務と会社勤務のバランスの取り方について、一人一人が考える時期がきたのではないかと思います。
どちらもメリット・デメリットがあるので、選択制があると良いですよね?