静岡空襲戦没者を追悼 安倍川花火大会2025中止

2025年7月19日に予定されていた「安倍川花火大会」は、連日の大雨による安倍川の増水を受けて中止が決定しました。

この大会は単なる娯楽の場ではなく、静岡空襲で亡くなられた戦没者を追悼する意味も込められています。

中止となった今、静かに慰霊の意を表す日として、私たち一人ひとりができることを考えるきっかけとなるかもしれません。

⇒ 安倍川花火大会2025が中止に！大雨の影響で開催断念

2025年の安倍川花火大会はなぜ中止に？

主催者発表によると、2025年の安倍川花火大会は、開催直前まで続いた大雨により河川が増水し、打ち上げ設備の設置が困難になったことが最大の要因です。

加えて、濡れた河川敷での観覧は安全性に問題があるとされ、来場者と住民の安全を第一に中止が決定されました。

今年は延期の措置も取られず、完全中止となりました。

延期ではなく「完全中止」になった理由

花火大会は中洲から打ち上げる特性上、水が引かない限り代替日でも安全に設営ができないという問題を抱えています。

また、夏休み中は他イベントとの日程調整も困難であり、秋冬開催では火災リスクや観客減少といったリスクが高いため、2025年はやむなく中止となりました。

静岡空襲と安倍川花火大会の深い関係

安倍川花火大会は、戦後の復興とともに始まり、静岡大空襲で亡くなった方々への鎮魂の意味が込められた大会として知られています。

戦後の混乱の中でも毎年打ち上げが続けられ、「静岡の空に平和を願う祈り」が込められてきました。

特に終盤に行われる一斉打ち上げは、犠牲者への追悼と未来への希望を象徴する場となっています。

毎年行われる慰霊法要

大会とは別に、毎年7月19日の午前には、弥勒2丁目の慰霊塔前で慰霊法要が行われます。

2025年も花火大会は中止となりましたが、この慰霊法要は予定通り開催されることが公式に発表されています。

花火がなくとも、静かに手を合わせることができる機会が残されているのは、市民にとって大きな意味を持ちます。

静岡市民として思う、花火に込めた願い

私自身、静岡市に生まれ育ち、安倍川花火大会は夏の大切な風物詩として楽しみにしてきました。

河川敷まで行けない年は、家の窓から夜空を見上げ、戦没者の冥福と平和への祈りを込めて花火を眺めていました。

そして最後の一斉打ち上げには、毎年胸が熱くなり、あの日空を見上げた人々の思いと静かに重なる感覚がありました。

静岡空襲戦没者を追悼 安倍川花火大会2025中止のまとめ

2025年の安倍川花火大会は大雨の影響で中止となりましたが、慰霊法要は予定通り開催されます。

静岡空襲の戦没者を追悼するという本来の意義は、花火が打ち上がらなくとも消えることはありません。

平和を願い、犠牲者に思いを寄せるこの日を、静かに、けれど心を込めて迎えたいと思います。